10/10横倉山に行ってきました。
2023年10月19日
朝ドラ「らんまん」の放送が終了しました
最近の山登りでの初めて出会う珍しい種類の山野草を見つけた時の心躍る気持ちは共通したものがある様な気がします。
毎朝あのドラマの冒頭のテーマ曲が流れる中に出てくる花の中で一つだけ気になる黄色い花がありました。
本棚にある「花もよう 四国の山を歩こう」(四国3新聞社合同出版)で調べてみると「ジョウロウホトトギス 」という花で高知の「横倉山」にある「平家穴」近くの岩場に10月ごろ咲くと書いてあります。
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徳島から「横倉山」(標高776m 高知県高岡郡越知町越知)の登山口は片道3時間かかるので、10/9の夜は須崎市のビジネスホテルに前泊し、翌日は朝からこの山でこの花を探すことにしました。
午前9:00 第3 駐車場に車を停めます。
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鳥居のある登山口からスタート。
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なだらかな登山道が続きます。
アカガシの原生林の中を15分ほど歩くと立派な杉の巨木に囲まれた「杉原神社」に到着。
源平の屋島の戦いに敗れた平家と幼い安徳天皇が逃れてきたのがこの横倉山だといわれています。
安徳天皇は23歳の時にこの山で崩御され、その陵墓参考地がこの横倉山の鞠ヶ奈呂にあります。
奈呂というのは平たい地形のことで、なだらかな鞠ヶ奈呂で蹴鞠をしたそうです。
そしてご存じ、植物学者の牧野富太郎博士が横倉山で発見した植物は27種類もあります。
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15分ほど歩くと安徳天皇ゆかりの「安徳水」の水場と牧野博士の石碑のある建物が登山道の右側に見えてきます。
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10:20「横倉宮休憩所」到着。
ここから参道の階段を直登すれば「横倉宮」に行けるのですが、先に「安徳天皇御陵参考地」と向かいます。
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5分ほどで右側に長い石段が見えます。
頑張ってそれを登りきると立派な柵に囲まれた御陵が目の前に現れます。
本当に立派です。
山の奥にこんな立派な御陵が作られるとは・・・
さすが安徳天皇ですね。
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お参りを済ませ次は絶景が見られるという「畝傍山眺望所」へ向かいます。
アケボノソウが咲く平坦な登山道を20分ほど歩くと「畝傍山眺望所」に到着です。
長めの休憩をとります。
名前の通り良い眺望です。
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来た道を引き返し、いよいよ本日の目的の「ジョウロウホトトギス」探索に向かいます。
山頂方面への分岐点手前の分岐点から「平家穴」へ下ります。
結構な急坂ですが両側に咲く秋の山野草に癒されます。
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5分ほどで手前にある「岩屋神社」の祠に到着。
祠の後ろにはいかにも「ジョウロウホトトギス」が咲いていそうな大きな岩場がでんと構えています。
岩場の左側の急坂をよじ登ります。
もちろん道などありません。
木や岩をつかみながら岩場の斜面を探します。
20mほど這いつくばって登りましたが見当たりません。
安全な下り道を探しながら「岩屋神社」に戻りました。
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次の探索場所はこの下の「平家穴」の岩場です。
また急坂を下ります。
昔はこの道の左側にたくさん「ジョウロウホトトギス」が咲いていたとネットに書いてありましたが、今や全くその姿は見えません
「平家穴」到着。
ロッククライミングの練習場と書かれてある通り立派な断崖の岩場です。
まずは左側の岩場を探索するもそれらしき植物は見当たらず・・・
右側に崩落した岩場を奥へ奥へと岩場を這いつくばって、行き止まりの場所まで上部の岩場を見ながら1時間近く右往左往しながら探しました。
・・・がついに「ジョウロウホトギス」の花を見つけることはできませんでした。
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岩場の上り下りでびっしょり汗をかき、時計を見ると12:00・・・
遅い昼食をコンビニおにぎりとからあげくんで済ませました。
周りにシモバシラやシロヨメナがたくさん咲いていました。
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さあここからは急坂を登り返し尾根の登山道に戻り、残りの名所「横倉宮」「馬鹿だめし」を巡り、山頂を確認して下るだけです。
それにしてもそれほど高い山でもないのに見どころ満載の「横倉山」・・・
登山愛好家に人気が高いのも納得です。
「横倉宮」は「平家岩」から登り返した急坂から尾根道に戻り山頂の方へ歩けばすぐでした。
立派な建物が杉林の中に立っています。
カメラを携えた方が「馬鹿だめし」の場所を教えてくれたので、足が痛い家内を残しひとりで岩場を登って写真撮影に行ってきました。
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ウ~ン・・・・絶壁が怖くて先まで行けませんでした。
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さあ最後は山頂を確認して下山です。
快適な尾根道が続きます。
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アップダウンのある尾根道を20分ほど歩けば「横倉山」の山頂776m・・・
小休憩・・・
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15分ほど気持ちの良い尾根道を15分下れば第3駐車場への分岐点・・・
分岐点にある「夫婦杉」
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少しだけ登り返せば朝来た参道と合流し15分ほどで第3駐車場14:51・・・
約6時間のハイキングでした。
「ジョウロウホトトギス」を探すのに随分時間を取りました。
とほほ・・・。
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帰りにふもとにある「横倉宮横倉山自然の森博物館」に寄り、「ジョウロウホトギス」の状況などを学芸員さんにお聞きしたところ・・・
「ドラマの影響で盗掘され、この花はほぼ絶滅との事…この花だけでなくコオロギランは群生地が見学者に踏み荒らされ、多分来年以降の生育は望めない」との寂しいお話・・・。
せっかく遠くからおいでたのだからと、学芸員さんが現在佐川町の「牧野公園」の「ジョウロウホトギス」が満開だと教えてくれました。
写真は帰りに寄った「牧野公園」のものです。
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